The Voyage of the Dawn Treader (The Chronicles of Narnia #5)

■英語読書の記録(652冊目)

B001I45UEI The Voyage of the Dawn Treader: The Chronicles of Narnia
C.S. Lewis Chris Van Allsburg
HarperCollins 2008-10-29

by G-Tools

Author : C. S. Lewis
Series : The Chronicles of Narnia #5
Genre : Kids Fantasy, Adventure
RL=6.8、単語数=53758、ページ数=292、☆3.5
[Kindle Edition]

LucyとEdmundは夏休みの間、 叔父のScrubb家に滞在することになった。
Scrubb一家は非常に都会的で進歩的な生活をしていたが、
いとこのEustaceは性格が悪くPevensiesの4兄妹とはそりが合わなかった。
ところがある日、Luscyの部屋の壁にかかった海を航海する船の絵の中に3人は吸い込まれ、
そのまま海に投げ出される。
そして絵の中と同じ帆船に救い上げられるが、そこで現ナルニア王Caspianに再会する。
Caspianはかつての王である叔父Mirazの命により、東の海に向けて旅立って戻ることのなかった、
亡き父の友人である7人の重臣を探す航海に出たところだった。
Lucy達3人はCaspian一行と共にナルニアの東の果てを目指す旅に同行することになる。
しかしそこには想像を絶する冒険が待ち構えていた・・・
・・・
「ナルニア国物語」の第5巻にして3冊目。
なのですが、う~む困ったなあ、なんかいまひとつ面白く感じない。
前の2作が悪い魔女の統治や王位を巡る争いで結構血なまぐさい話だったのに比べると
本作は純粋な冒険物語でしかもそのスケールはかなり大きなものです。
Lucy達は様々な場所を訪れ様々な人々に会い、驚くような経験を重ねていきます。
そして遂にはナルニアの東の果てAslanが住む土地まで辿り着くのです。

確かにストーリーはつまらなくはありませんし、Lewisさんの描く未知なる世界の描写は
このまま映像にしたらさぞ素晴らしいだろうなと思うこともしばしばです。
少し前の自分ならば面白くて仕方ないパターンなのですが、
それにもかかわらずいまひとつ乗れなかったのは、
こういった子供向けファンタジーに慣れすぎてしまったからなんでしょうか。(^^ゞ
もしかしたらあちこちに散りばめられたキリスト教的な説教臭さがちょっと鼻についたのかも。

少々気になったのがLucy達と再会したCaspianがやけに王様風を吹かせているところ。
そもそもCaspianは前王の正当な血筋を受け継いでいるというだけで、特別なカリスマ性が
有るわけでも無く、Pevensiesのおかげで王位に就けたと言っても過言ではありません。
(かなりハンサムではあるようですが。(^^;)まだまだ未熟だなあという感じです。
そんな彼が(魔力のせいとは言え)かつての王であるEdmundと一触即発の状態になったり、
最果ての地に残って冒険を続けると言い出して家臣にたしなめられると癇癪を起こしたり。
Aslanに叱られるのも仕方ないよね。

結局LucyとEdmundが三たびナルニアに呼ばれたのは、Caspian達の旅を助けるためだった
のでしょうが、それに巻き込まれたEustaceはお気の毒としか言いようがありません。
でもそれによってPevensiesが退場した後にも、ナルニアへの冒険に呼び戻されるような
純粋な子供の心を知ったのですから良かったね。・・・・良かったのかな?(笑)

<関連リンク>
・INDEX – The Chronicles of Narnia
・WEB SITE – The C.S. Lewis Society of California


This Savage Song (Monsters of Verity #1)

■英語読書の記録(651冊目)

1785652745 This Savage Song (Monsters of Verity 1)
V. E. Schwab
Titan Books Ltd 2016-06-07

by G-Tools

Author : Victoria Schwab
Series : Monsters of Verity #1
Genre : YA, Dystopia, Paranormal
RL=5.8、単語数=87712、ページ数=427、☆4.0
[Kindle Edition] [オーディオブックと併せて聴き読み]

退廃した近未来、人間は戦いに明け暮れかつての国は別の形に再編されていく。
そしてその過程で3種類のモンスター
 下等で知性がほとんど無く動物の肉を食うCorsai、
 高度な知性を持つが幽霊のような姿で人の血を吸うMalchai 、
 姿や知性は人間とほとんど変わらず他のモンスターや罪を犯した人間の魂を食事としているSunai
が生まれる。
Kate Harkerは5年間で6つの全寮制学校を退学になった末に、父親が統治するNorth Cityに戻ってきた。
彼女はHarker家の娘として父親の片腕になりかつての家族の絆を取り戻すのが夢だった。
V-CityはHarkerのNorth CityとHenry Flynnが治めるSouth Cityに2分され
長い戦争の末にある大惨事がきっかけで両者は停戦協定を結んでいた。
Kateが戻ってきたことを知ったHenry達は最年少の息子Augustを彼女の監視役として
Colton Academyに転入生として潜入させる。
Augustは3人しかその存在を知られていないSunaiの1人だった・・・
・・・
人間でありながらモンスターのような存在でありたいと思う少女Kate。
モンスターであることをひたすら隠し、平和な世界を願う少年August。
物語はこの2人が出会うまでの序盤から互いの交流が深まっていく中盤までは比較的静かに進み、
読者はこの作品の世界観や2人の性格を次第に理解していきます。
Kateはビッチですが根は決して悪人では無く、Augustは純粋な心のモンスターというのが新鮮かな。
思いもよらぬことから共に逃亡生活を強いられることになる後半からラストにかけては
2人にとってはひと時の休息も許されないような展開で、読み手も気を抜くことが出来なくなります。

この作品で斬新なのはSunai達が食事(魂を召喚)する方法が音楽によるものだと言うことで、
タイトルもそこに由来しているようです。
音楽と言っても皆が同じでは無く、Augustの場合はバイオリンというのもなかなかユニークです。
ただ正直なところ音楽であることの必然性はあまり感じられず、
(例えば目からビームでもカメハメ波でも良いわけで)あくまで物語を彩るセンスの良い道具
というような印象を受けてしまうのが残念なところ。
またラストにかけては読者が期待するような展開ではあるのですが、
あまりに都合良くモヤモヤっとして解決してしまった気がするのは私だけでしょうか。
もう少し溜飲を下げて欲しかったかな。

おそらくこの本を読んだ人の96%くらいは、KateとAugustとの間には恋愛感情が生まれるのだろう
と予想すると思うのですが、少なくとも本巻の中では全くそんなことは無くて
(お互いの友情は深まるのですが)肩透かしをくらった人も多そう。
続巻への最大の関心事は、果たして人間とモンスターの間の恋愛は成立するのか、かな。(^^ゞ

<関連リンク>
・INDEX – Monsters of Verity
・WEB SITE – Victoria (V.E.) Schwab

脱多読宣言(多読をやめるとは言っていない)

こんにちは。
初めてご訪問くださった方には初めまして。
「多読でこいこい」から来て下さった方にはお待たせしました。
そして旧「いつでもこいこい」をご存じの方にはお久しぶりです。

いわゆる英文多読を始めてから6年半。
今まで楽しみながら(かつ苦しみながら)英語の読書を続けてきて
ようやく曲がりなりにも古典の名作や大人向けの本にも手が届くようになりました。
そうなると低学年向けの児童書は少々物足りなくなり、
ネイティブの方が読むような10万語越えのYAあたりが気になり始めます。
しかしながら基本的な英語力の低さや語彙力の無さはいかんともし難く
厚い本はそのページ数に比して時間がかかることになり、
結果的に多読でも精読でもない単なるのろい読書と成り果て、
1ヶ月に数冊しか読了出来ないというのがここ1年ほど続いています。

本人はそれで十分満足ではあるのですが、
世の中にはネイティブと同じくらいの質と量の読書をこなしている方も山ほどいて
さすがに多読の看板を掲げるのは恥ずかしくなってきました。
この辺でブログ名を変えて心機一転することにし、
加えて以前からWordPressで自分のブログを作ってみたいという願望もあったので、
元々仕事用に取っていたドメインを流用してこちらに引っ越すことにしました。

新しいブログ名には悩んだのですが(読書でこいこいだと芸がなさ過ぎるし・・・)
私のブログの原点で結構気に入っていた「いつでもこいこい」を復活することにしました。
(その辺の顛末はプロフィールに載せています。)
これからも洋書がメインのコンテンツではありますが、
今までとは少々違う話題も(ブログ全体が散漫にならない程度に)書いていこうと思っています。

多読の看板は下ろしますが、英語学習としての英文多読の効用は私自身が一番実感しているところで、
その精神はこれからも持ち続けたいと思っています。
もしかしたら近いうちにまた多読に目覚めて易しい本を沢山読むようになるかもしれませんしね。

本ブログが多読を始めたものの次に何を読んだらいいのか分からないという多読初心者の方の
道しるべとなれたら幸いです。
それでは新しい「いつでもこいこい」をよろしくお願いいたします。(^^)/


2016年を振り返って

今年も大晦日となりました。
毎年恒例(マンネリとも言う)この1年の読書を振り返ってみます。

今年の目標は、
年間60冊、250万語でした。

そして結果は、
読んだ本:43冊
単語数 :1,740,000(概算)
YL平均 :4.8
現在の総語数:10,155,121

相変わらずのダメダメですね。(T_T)
冊数が少なくなったのは以前に比べて厚い(単語数が多い)本を読むことが増えてきたので
仕方ないとしても、総単語数はここ数年間あまり変わっていません。
1年を通してコンスタントに読むことが出来ればもう少し増えると思うのですが
仕事が忙しかったり何となくモチベが下がったりして空白期間が出来てしまうのが弱いところ。
来年はその辺をなんとか工夫して克服したいものです。

今年の印象に残った本TOP5
1. Shadow and Bone (The Grisha #1)
本書を含めたトリロジーがやはり今年の個人的なベスト1。
全体のプロットは特に新しいわけではないのですが、
世界観、ストーリー、キャラクター全てが私のツボにはまりました。
2. Illuminae (The Illuminae Files #1)
直近に読んだせいもあるかもしれませんが、面白かったです。
どこかで映画化してくれないかなあ。
3. An Ember in the Ashes (An Ember in the Ashes #1)
ストーリーの面白さだけなら1位にしてもいいくらいなのですが、
これに続く2冊目がちょっと期待外れだったので。
来年中には出るであろう第3巻は別の意味で期待を裏切って欲しい。
4. Harry Potter and the Sorcerer’s Stone (Harry Potter #1)
出版から19年目にしてようやく原書で読むことが出来たハリー・ポッター。
5. 84, Charing Cross Road
今年はやっぱりこれを外せません。

去年より読んだ冊数は少ないですがYAが中心になったせいもあって
読み応えがあって印象に残る本が多かった気がします。
来年はもっと面白い本に巡り会えるといいなあ。

来年の目標はちょっと控えめに
年間50冊、200万語。
後はハリー・ポッターシリーズ全巻読破ですね。
それとまだ詳細は決めていませんが、ブログの衣替えを考えています。
近いうちにお知らせ出来ると思います。

それでは本年も1年間ありがとうございました。
皆様どうぞ良いお年を。


Illuminae (The Illuminae Files #1)

■英文多読に挑戦(650冊目)

0553499114 Illuminae (The Illuminae Files)
Amie Kaufman Jay Kristoff
Knopf Books for Young Readers 2015-10-20

by G-Tools

Author : Amie Kaufman, Jay Kristoff
Series : The Illuminae Files #1
Genre : YA, Science-Fiction
RL=7.0、単語数=92376、ページ数=599、☆5.0
[オーディオブックと併せて聴き読み]

17歳のKady GrantがボーイフレンドEzra Masonに2人の仲の終わりを告げたその日の午後、
彼等が住む植民惑星のコロニーKerenzaはBeiTechの艦隊によって攻撃される。
たまたま近くにいた統一宇宙軍(UTA)の軍艦Alexanderにより侵略者は撃退されるが、
Kerenzaは壊滅的な被害を受けかろうじて逃げ出した人々はAlexander、学術調査船Hypatia、
貨物船Copernicusの3カ所に避難を余儀なくされる。(KadyはHypatiaにEzraはAlexanderに)
Alexanderも敵との交戦により大きな損傷を受け航行不能に陥っていたが、
BeiTechの軍艦Lincolnが今回の事件の目撃者を全て抹殺すべく
再び攻撃をしかけてくることが予想され、修復に残された時間は少なかった。
ところが事態はそれだけにとどまらずCopernicusで悪質なウィルスが蔓延し始め
(BeiTechのバイオ攻撃が原因と思われる)、
それに感染した人は凶暴化し無差別に殺戮を行うようになった。
そんな中でCopernicusは何者かにより攻撃を受けて1000人以上の避難者と共に消滅し、
Alexanderの最高責任者はLincolnによって破壊されたと発表した。
しかし感染はAlexanderにも広がり・・・
・・・
本書のヒロインKadyは高校生ですがコンピュータに詳しいいわゆるハッカーです。
彼女はKerenza襲撃からの一連の事件で何が起こっているのかについて疑問を持ち
ネットワークをハックして情報を得るようになり、Copernicus破壊の真実を知ることになります。
その過程でEzraとも連絡を取るようになって2人の絆は次第に元に戻っていき、
遂には全ての肉親を亡くした彼女にとっての彼は最後の拠り所になります。
そしてAlexanderに閉じ込められたEzraを救うべくKadyは驚くべき行動に出るのです。

本書はそれ自体がKerenza襲撃事件のレポートという体裁を取っていて
全編がインタビュー、電子メール、IMチャット、修復されたビデオ映像からの掘り起こし、
人工知能(AIDAN)との会話などで構成されていて、通常の小説形態ではありません。
一部には図表や劇画タッチの表現もあって読者に今までには無い新鮮な印象を与えます。

(例えばこんな感じ)
Illumina1
Illumina2

しかしながらSFならではの単語や表現、科学用語、軍隊のレポートでの堅い言葉、
メールやチャットでの略語など慣れていないと読みにくい箇所も多く、
英語難易度は決して低いとは言えません。
また上記のような劇画的な部分でもその内容は全て意味を持っていて、
隅から隅まで読まないと大事な内容を見逃してしまう恐れもあり、
そういう意味では多読的な読み方は決して出来ない作品と言えます。
Kindle版もありますが、6インチの画面では非常に読みづらい気がしますし
本書に関しては紙の本がオススメです。
私はAudibleのオーディオブックと併せて読みましたが、
複数の声優さんが演じ分け、効果音や音楽まで入って臨場感を高めてくれる優れもので、
逆にこれが無ければ途中で投げていたかもしれません。
もし本書が読みにくいと感じたらこのオーディオブックを試してみてはいかがでしょうか。

ストーリーは中盤からラストにかけてどんどん緊張感が高まっていき、
ページをめくる手が止まらなくなります。
Kadyの行動が無駄だったのではと感じる部分もあって一瞬悲しい気持ちになったりしますが、
最終的に読者の期待を裏切ることは決してありません。
正直この物語に本書のフォーマットが必要だったのかという疑問もありますが、
本作品の面白さの前にはそれはどうでも良くなってしまいます。
人工知能AIDANは『2001年宇宙の旅』のHALを彷彿とさせますし、
その手の分野がお好きな方には無条件にお勧めと言える1冊です。

・・・やっぱりAIは3者合議制にしないとダメよね。(^^ゞ

ここまでの合計。650冊、単語数=10155121

<関連リンク>
・INDEX – The Illuminae Files
・WEB SITE – Amie Kaufman