The Paper Magician (The Paper Magician #1)

■英語読書の記録(654冊目)

B00HVF7OL0 The Paper Magician (The Paper Magician Series, Book 1)
Charlie N. Holmberg
47North 2014-09-01

by G-Tools

Author : Charlie N. Holmberg
Series : The Paper Magician #1
Genre : YA, Fantasy
RL=5.8、単語数=63989、ページ数=222、☆4.0
[Kindle Edition]

Ceony Twillは失意のままにMagician Thaneの屋敷を訪れた。
彼女はTagis Praff魔法学校を最も優秀な成績で卒業し、金属を操る魔術師になりたいと思っていた。
しかしその希望に反して彼女は紙魔法の魔術師Mg.Thaneの見習いを言い渡される。
そしてそれはひとたび彼女の魔力が紙に結びつくと生涯解けないものとなることを意味していた。
最初は気乗りしないまま修行を始めるCeonyだったが、次第に紙魔法の魅力を知り始め、
またMg.Thaneの人柄にも惹かれるようになる。しかし同時に彼が何かの秘密を隠していることも感じる。
1ヶ月が経ったある日、Liraという女性が突如侵入し、Mg.Thaneの心臓を抜き取って逃げる。
CeonyはMg.Thaneを救うためLiraを追いかけるが・・・
・・・
う~む。これはまた評価しづらい物語だなあ。
面白いか?と聞かれれば確かに面白いんです。
続きを読みたいか?と言われればすごく読みたいです。
でも全体的に何かが物足りない、そんな印象なんですよね。
もともと魔術師として高い素質を持っていたCeonyはMg.Thaneの教えを素早く吸収し、
次第にFolder(紙魔術師)としての新しい世界に馴染んでいきます。
しかし戦いで使えるような魔法は何も知らないままにExcisioner(肉体を素材として操る禁断の魔術師)
と対決し、あっさりと破れて、何と抜き取られたMg.Thaneの心臓の中に閉じ込められてしまうのです。

この作品が斬新なのは物語全体の7割くらいをヒロインが心臓の中を彷徨って歩くというトンデモ設定で、
その過程でCeonyはこの心臓の主であるMg.Thaneの記憶を辿り、Liraとの関係を知り、
さらには自分自身の過去とも向き合いながら、Liraに打ち勝つ方法を探して行くのです。
正直少々冗長な部分やよく考えると矛盾していると思う点もあるのですが、
それを差し引いても十分面白いストーリーなのは確かだと思います。

しかしながら私にとって紙使いと言えば『R.O.D』の読子・リードマン以外におらず、
始めて出会ってから17年間、読子さんは常に私のImaginary Girlfrendのトップに君臨しています。(^^ゞ
彼女は超能力者としての紙使いなのでその威力は直接的でかつ強力で、
紙を強化してナイフの代わりにしたり、銃弾を弾くことさえ出来ます。
Ceonyの場合は魔術師として紙に魔法をかけないと使えないというハンデ?はありますが、
それでも本書の中での紙の使い方はまだまだ甘いなと言わざるを得ず、
次巻では是非その辺の強化もお願いしたいところです。

そう言えば少し前にディズニーの『Rogue One』のチームがこのシリーズの映画化を手がけると
いう発表がありました。
どんな映画になるのか見当も付きませんが、また楽しみがひとつ増えました。(^^)



この本のトレイラーを探したのですがオフィシャルなのは無いようなので、
代わりに R.O.D (OVA) のオープニングをどうぞ。

なんか今回のレビューはグダグダだなあ。(笑)

<関連リンク>
・INDEX – The Paper Magician
・WEB SITE – Charlie N. Holmberg

This Savage Song (Monsters of Verity #1)

■英語読書の記録(651冊目)

1785652745 This Savage Song (Monsters of Verity 1)
V. E. Schwab
Titan Books Ltd 2016-06-07

by G-Tools

Author : Victoria Schwab
Series : Monsters of Verity #1
Genre : YA, Dystopia, Paranormal
RL=5.8、単語数=87712、ページ数=427、☆4.0
[Kindle Edition] [オーディオブックと併せて聴き読み]

退廃した近未来、人間は戦いに明け暮れかつての国は別の形に再編されていく。
そしてその過程で3種類のモンスター
 下等で知性がほとんど無く動物の肉を食うCorsai、
 高度な知性を持つが幽霊のような姿で人の血を吸うMalchai 、
 姿や知性は人間とほとんど変わらず他のモンスターや罪を犯した人間の魂を食事としているSunai
が生まれる。
Kate Harkerは5年間で6つの全寮制学校を退学になった末に、父親が統治するNorth Cityに戻ってきた。
彼女はHarker家の娘として父親の片腕になりかつての家族の絆を取り戻すのが夢だった。
V-CityはHarkerのNorth CityとHenry Flynnが治めるSouth Cityに2分され
長い戦争の末にある大惨事がきっかけで両者は停戦協定を結んでいた。
Kateが戻ってきたことを知ったHenry達は最年少の息子Augustを彼女の監視役として
Colton Academyに転入生として潜入させる。
Augustは3人しかその存在を知られていないSunaiの1人だった・・・
・・・
人間でありながらモンスターのような存在でありたいと思う少女Kate。
モンスターであることをひたすら隠し、平和な世界を願う少年August。
物語はこの2人が出会うまでの序盤から互いの交流が深まっていく中盤までは比較的静かに進み、
読者はこの作品の世界観や2人の性格を次第に理解していきます。
Kateはビッチですが根は決して悪人では無く、Augustは純粋な心のモンスターというのが新鮮かな。
思いもよらぬことから共に逃亡生活を強いられることになる後半からラストにかけては
2人にとってはひと時の休息も許されないような展開で、読み手も気を抜くことが出来なくなります。

この作品で斬新なのはSunai達が食事(魂を召喚)する方法が音楽によるものだと言うことで、
タイトルもそこに由来しているようです。
音楽と言っても皆が同じでは無く、Augustの場合はバイオリンというのもなかなかユニークです。
ただ正直なところ音楽であることの必然性はあまり感じられず、
(例えば目からビームでもカメハメ波でも良いわけで)あくまで物語を彩るセンスの良い道具
というような印象を受けてしまうのが残念なところ。
またラストにかけては読者が期待するような展開ではあるのですが、
あまりに都合良くモヤモヤっとして解決してしまった気がするのは私だけでしょうか。
もう少し溜飲を下げて欲しかったかな。

おそらくこの本を読んだ人の96%くらいは、KateとAugustとの間には恋愛感情が生まれるのだろう
と予想すると思うのですが、少なくとも本巻の中では全くそんなことは無くて
(お互いの友情は深まるのですが)肩透かしをくらった人も多そう。
続巻への最大の関心事は、果たして人間とモンスターの間の恋愛は成立するのか、かな。(^^ゞ

<関連リンク>
・INDEX – Monsters of Verity
・WEB SITE – Victoria (V.E.) Schwab

Illuminae (The Illuminae Files #1)

■英文多読に挑戦(650冊目)

0553499114 Illuminae (The Illuminae Files)
Amie Kaufman Jay Kristoff
Knopf Books for Young Readers 2015-10-20

by G-Tools

Author : Amie Kaufman, Jay Kristoff
Series : The Illuminae Files #1
Genre : YA, Science-Fiction
RL=7.0、単語数=92376、ページ数=599、☆5.0
[オーディオブックと併せて聴き読み]

17歳のKady GrantがボーイフレンドEzra Masonに2人の仲の終わりを告げたその日の午後、
彼等が住む植民惑星のコロニーKerenzaはBeiTechの艦隊によって攻撃される。
たまたま近くにいた統一宇宙軍(UTA)の軍艦Alexanderにより侵略者は撃退されるが、
Kerenzaは壊滅的な被害を受けかろうじて逃げ出した人々はAlexander、学術調査船Hypatia、
貨物船Copernicusの3カ所に避難を余儀なくされる。(KadyはHypatiaにEzraはAlexanderに)
Alexanderも敵との交戦により大きな損傷を受け航行不能に陥っていたが、
BeiTechの軍艦Lincolnが今回の事件の目撃者を全て抹殺すべく
再び攻撃をしかけてくることが予想され、修復に残された時間は少なかった。
ところが事態はそれだけにとどまらずCopernicusで悪質なウィルスが蔓延し始め
(BeiTechのバイオ攻撃が原因と思われる)、
それに感染した人は凶暴化し無差別に殺戮を行うようになった。
そんな中でCopernicusは何者かにより攻撃を受けて1000人以上の避難者と共に消滅し、
Alexanderの最高責任者はLincolnによって破壊されたと発表した。
しかし感染はAlexanderにも広がり・・・
・・・
本書のヒロインKadyは高校生ですがコンピュータに詳しいいわゆるハッカーです。
彼女はKerenza襲撃からの一連の事件で何が起こっているのかについて疑問を持ち
ネットワークをハックして情報を得るようになり、Copernicus破壊の真実を知ることになります。
その過程でEzraとも連絡を取るようになって2人の絆は次第に元に戻っていき、
遂には全ての肉親を亡くした彼女にとっての彼は最後の拠り所になります。
そしてAlexanderに閉じ込められたEzraを救うべくKadyは驚くべき行動に出るのです。

本書はそれ自体がKerenza襲撃事件のレポートという体裁を取っていて
全編がインタビュー、電子メール、IMチャット、修復されたビデオ映像からの掘り起こし、
人工知能(AIDAN)との会話などで構成されていて、通常の小説形態ではありません。
一部には図表や劇画タッチの表現もあって読者に今までには無い新鮮な印象を与えます。

(例えばこんな感じ)
Illumina1
Illumina2

しかしながらSFならではの単語や表現、科学用語、軍隊のレポートでの堅い言葉、
メールやチャットでの略語など慣れていないと読みにくい箇所も多く、
英語難易度は決して低いとは言えません。
また上記のような劇画的な部分でもその内容は全て意味を持っていて、
隅から隅まで読まないと大事な内容を見逃してしまう恐れもあり、
そういう意味では多読的な読み方は決して出来ない作品と言えます。
Kindle版もありますが、6インチの画面では非常に読みづらい気がしますし
本書に関しては紙の本がオススメです。
私はAudibleのオーディオブックと併せて読みましたが、
複数の声優さんが演じ分け、効果音や音楽まで入って臨場感を高めてくれる優れもので、
逆にこれが無ければ途中で投げていたかもしれません。
もし本書が読みにくいと感じたらこのオーディオブックを試してみてはいかがでしょうか。

ストーリーは中盤からラストにかけてどんどん緊張感が高まっていき、
ページをめくる手が止まらなくなります。
Kadyの行動が無駄だったのではと感じる部分もあって一瞬悲しい気持ちになったりしますが、
最終的に読者の期待を裏切ることは決してありません。
正直この物語に本書のフォーマットが必要だったのかという疑問もありますが、
本作品の面白さの前にはそれはどうでも良くなってしまいます。
人工知能AIDANは『2001年宇宙の旅』のHALを彷彿とさせますし、
その手の分野がお好きな方には無条件にお勧めと言える1冊です。

・・・やっぱりAIは3者合議制にしないとダメよね。(^^ゞ

ここまでの合計。650冊、単語数=10155121

<関連リンク>
・INDEX – The Illuminae Files
・WEB SITE – Amie Kaufman

Midwinterblood

■英文多読に挑戦(647冊目)

1250040078 Midwinterblood
Marcus Sedgwick
Square Fish 2014-04-22

by G-Tools

Author : Marcus Sedgwick
Series :
Genre : YA, Fantasy, Horror
RL=5.0、単語数=46645、ページ数=262、☆4.0
[Kindle Edition]

2073年6月、Eric Sevenは北欧にあるBlessed Islandという島を訪れた。
彼はクライアントの求めに応じて世界の各地を巡り、
その地のことを調査するレポーター兼ライターだった。
今回の目的はこの島にしか無いという「Dragon Orchid」と呼ばれる植物で、
そこからは不老不死の薬が得られると噂されていた。
Ericは島で彼を迎えてくれたMerleという若い女性に
ほとんど恋愛感情と言って良いほどに強く惹かれたが、
同時に初対面にもかかわらず以前何処かで会ったような不思議な既視感にとらわれた。
島の住人達は驚くほどに親切で彼の滞在は何の不自由も無かったが、
一方で住人達の様子は何処か奇妙だった・・・
  –
2011年7月、考古学者のEdward一行はBlessed Islandで
ヴァイキングの遺跡を発見するために調査を行っていた。
発掘現場の傍らでは近くの家の少年が毎日ほとんど終日飽きもせずに作業の様子を見守っていた。
彼の名はEricと言った。
調査は2週間の予定だったが期間の半分を過ぎても何の成果も無く、Edwardはあせっていた。
発掘場所を変えるかの決断を強いられるEdwardだったがEricが言った「ここを掘って」の一言に
本能的に従い、そしてそこからはヴァイキングの墓所らしいものが現れる。
謝礼のためにEricの家を訪れたEdwardに母親はMerleと名乗った・・・
・・・
本書は全体が以下のような7つのパートで構成されています。
MidsummerSun JUNE 2073 - THE FLOWER MOON
The Archaeologist JULY 2011 - THE HAY MOON
The Airman AUGUST 1944 - THE GRAIN MOON
The Painter SEPTEMBER 1902 - THE FRUIT MOON
The Unquiet Grave OCTOBER 1848 - THE HUNTER’S MOON
The Vampire 10TH CENTURY - THE SNOW MOON
Midwinterblood TIME UNKOWN - THE BLOOD MOON
お話は未来から次第に時を遡り、その時々の満月の日が象徴的な名前で呼ばれ
ストーリーの重要な要素となっています。
それぞれが独立した物語ではありますが、舞台は全て同じ島で
EricとMerleという2人の人物が全体を通してキーとなり、
そして全てを読み終えた時、7つの物語が繋がるのです。

それぞれのストーリーはどれも奇妙で時に優しく時に悲しく時に恐ろしく読む者を惹き付け、
ラストでなるほどと納得させられる仕掛けも面白いと思います。
惜しむらくは本書は全体を通してラブストーリーという側面があるのですが、
EricとMerleの愛情がどうしてそこまで深いものなのかというのがいまひとつ
伝わってこないのが物足りないところ。
ひとつひとつのストーリーが短くてその部分が描き切れていないせいだと思うのですが、
せめてあとページ数5割増しくらいでその辺をねっとりと(笑)描いていただければ
なかなかの傑作になったのではないでしょうか。

とは言え物語自体は面白いですし、英語は比較的平易なので
児童書に飽きた方には少し大人向けのちょっと怖い物語としてオススメです。
冬の夜長にキャンドルライトだけで読むのも一興かもしれませんよ。
(私には怖くて出来ませんが)

ここまでの合計。647冊、単語数=9960332

<関連リンク>
・INDEX – Marcus Sedgwick
・WEB SITE – Marcus Sedgwick

Coralina (The Nine Princesses #2)

■英文多読に挑戦(644冊目)

B00AFESUK8 Coralina (The Nine Princesses Book 2) (English Edition)
Anita Valle
2012-11-28

by G-Tools

Author : Anita Valle
Series : The Nine Princesses #2
Genre : YA, Fantasy, Romance
RL=4.5、単語数=23000(概算)、ページ数=185、☆3.0
[Kindle Edition]

Runa王国の第2王女 Coralina Corissa(通称Coco)の美貌は国内はもとより
近隣の国でも知らない者は無かった。
彼女自身もそれが自分の武器であることをよく知っていて、
それによって今まで望む物は何でも手に入れてきた、たとえそれが男であっても。
あるパーティーの夜、Cocoは隣国の皇太子Luxleyと池のほとりでいちゃついていたが、
第一王女Maelynが夜警として雇っていた大工のGordによって滅茶苦茶にされる。
そのころ街では女性の髪を切って盗む盗賊が出没しており、Gordはそれと勘違いしたのだった。
CoralinaはGordに仕返しするために自分の美貌で彼を虜にしようとするが・・・
・・・
大工のGordはクールでハンサムな大男なのですがポイントは極端に目が悪いということで、
Coralinaの最大の武器である美貌はGordに対してはあまり有効ではありません。
彼女はそれ以外の「何か」で彼の気持ちを惹かなければならないのです。
しかし彼女の企みはGordに見破られてしまい、彼女は手痛いしっぺ返しをくらうことになります。
確かにCoralinaは軽薄で浮気性なのですが、元はと言えば非はGordにあるわけですし、
Gord自身もそれほど魅力的には思えず、Coralinaにとってはなんとも救いようのないお話で
後味はあまり良いとは言えません。

第1巻はなかなか面白かったのですが、彼女達が王女としてふさわしいかどうか
という差し迫ったテーマは今回はすっかりどこに行ってしまい、
終わってみれば恋愛をゲームのようにしか思っていなかった美貌の王女が
本当の失恋を味わってしまいました。(ちゃんちゃん)
ということで期待したのとはだいぶ違いました。
でもAmazon.comのレビューでは結構評価が高いんですよね、
皆さん性悪女にはきついお仕置きをみたいな話が好きなんでしょうか。(笑)

MaelynさんはWillowとしっかりくっついたようで良かったですね。
それにWillowがCocoに安易になびかなかったのも好感度UPかな。

ここまでの合計。644冊、単語数=9756933

<関連リンク>
・INDEX – The Nine Princesses
・WEB SITE – Books by Anita Valle – Anita Valle Art