The Mystery Of Hollow Inn (Samantha Wolf Mysteries #1)

■英語読書の記録(656冊目)

B00HMYJRZQ The Mystery Of Hollow Inn (Samantha Wolf Mysteries Book 1) (English Edition)
Tara Ellis
Tara Ellis Publications 2014-01-01

by G-Tools

Author : Tara Ellis
Series : Samantha Wolf Mysteries #1
Genre : Kids, Mystery
RL=4.0、単語数=24000(概算)、ページ数=151、☆3.5
[Kindle Edition]

12才のSamantha Wolfと親友のAllyは夏休みを叔父のBillと叔母のBeth夫妻が経営する
Hollow Innで過ごすためにMontanaの山奥を訪れる。
そこは大自然に囲まれ神秘と伝説に満ちた素晴らしい場所だった。
しかし2人は到着して直ぐにその旅館の経営が上手くいっていないことを知る。
かつてのこの地を拓いたShawn Hollowとその家族についての伝説が様々な風評となって広がり、
実際に旅館内で幽霊騒ぎが起きるに至って宿泊客が皆キャンセルしてしまったのだ。
SamはAllyとともに叔父夫妻を助けるために、失われたという宝を発見するために調査を始めるが・・・
・・・
Amazon.comのKindleストアを探してみると子供向けミステリが本当に沢山あって驚かされます。
これもそんな作品のうちのひとつなのですが、前回読んだ『A to Z Mysteries』などと比べると
少々上の年齢層がターゲットといったところで、世界観もよりリアルに近い感じがします。
例えば”vandalism”なんていう単語は『A to Z~』では絶対に出てこないでしょうね。
Allyは日頃は携帯電話を片時も離すことなく常に誰かとチャットしているような娘なのですが、
電波の届かない山奥で最初はがっかりするものの
「チャットするのはほとんど義務でやっててそんなに楽しくない」とSamに告白するのは
いかにも現代っ子らしい感じがします。

ミステリ部分はちょっと怪しいところもありますが破綻無く完結していて
思わずツッコミたくなるようなこともありませんでした。(^^ゞ
ただ全体的にストーリーはどこかで読んだことがあるようなパターンの積み重ねで
目新しさはあまり感じられません。
またシリーズの1巻目ということもあるのか2人のヒロイン、SamとAlly、のキャラ立ても
いまひとつ成功しているとは思えずちょと残念なところではあります。
とは言えAmazon.comやgoodreadsでの読者レビューの点数は決して悪くありませんし、
シリーズも既に7巻まで出ているようなので一定の人気はあるようですね。
英文レベルは比較的易しく価格も安めなので多読用にも向いていますし、
私も機会があったら続編を読んでみたいと思います。

それにしても表紙のイラストの2人はもうちょっとどうにかならなかったのかなあ・・・

<関連リンク>
・INDEX – Samantha Wolf Mysteries
・WEB SITE – Tara Ellis (Meyers), Author & Photographer

April Fools’ Fiasco (A to Z Mysteries Super Edition #9)

■英語読書の記録(655冊目)

B01GBAIYMI A to Z Mysteries Super Edition #9: April Fools’ Fiasco (A Stepping Stone Book(TM))
Ron Roy John Steven Gurney
Random House Books for Young Readers 2017-02-28

by G-Tools

Author : Ron Roy
Series : A to Z Mysteries Super Edition #9
Genre : Kids, Mystery
RL=3.4、単語数=13473、ページ数=146、☆4.0
[Kindle Edition]

Wallis Wallaceの新刊が発売されDink, Josh, Ruth Roseの3人は街の本屋Book Nookにやって来る。
しかし店主のMr. PaskeyからEllie’s Dinerが閉店すると言われて大慌てでEllieの店に行くが、
まんまとエイプリルフールに引っかかったことを知る。
JoshはMr. Paskeyに仕返ししようと彼の趣味のコイン収集をネタにシナリオを練るが、
なんと翌日Book Nookに泥棒が入りMr. Paskeyのコイン収蔵ボックスが盗まれてしまう。
3人は犯人を見つけ出すことが出来るのか・・・
・・・
『A to Z Mystery』の新刊はちょっと早いエイプリルフールのお話です。
相変わらずこの街の警察は西部劇の保安官くらいの能力しか無いのではと疑わずにはいられませんが、
泥棒が入ってショーケースが壊されているんだし、せめて鑑識くらいした方が良いんじゃ・・・
Wallis WallaceはDink達3人とは仲の良い友達なわけですから、
新刊はサイン入りで送ってくれるのでは?とか、
相変わらず大人目線で見てしまうとツッコミどころ満載ではあります。(^^ゞ

今回は第1巻に登場したミステリ作家Wallis Wallaceの名前や、
書店のBook NookやアイスクリームショップのEllie’s Dinerなど
レギュラーシリーズを知っている人なら懐かしい場所も沢山出てきて、
まるで最初の頃に戻ったようです。
その分あまり”Super”ではありませんが、本作のタイトルも”A”から始まりますし、
いっそシーズン2としてアルファベット順にもう一度やっていだだけないでしょうかね。

正直このくらいのレベルの児童書だともう面白い面白くないという以前の問題なのですが、
私にとっては思い入れのあるシリーズでもあり、読むのはもう義務みたいなものです。(笑)
作者のRon Royさんもそろそろ結構なお歳だと思うのですが、
これからもずっと長く続くことを願っています。

<関連リンク>
・INDEX – A to Z Mysteries Super Edition
・WEB SITE – welcome to Ron Roy.com


The Paper Magician (The Paper Magician #1)

■英語読書の記録(654冊目)

B00HVF7OL0 The Paper Magician (The Paper Magician Series, Book 1)
Charlie N. Holmberg
47North 2014-09-01

by G-Tools

Author : Charlie N. Holmberg
Series : The Paper Magician #1
Genre : YA, Fantasy
RL=5.8、単語数=63989、ページ数=222、☆4.0
[Kindle Edition]

Ceony Twillは失意のままにMagician Thaneの屋敷を訪れた。
彼女はTagis Praff魔法学校を最も優秀な成績で卒業し、金属を操る魔術師になりたいと思っていた。
しかしその希望に反して彼女は紙魔法の魔術師Mg.Thaneの見習いを言い渡される。
そしてそれはひとたび彼女の魔力が紙に結びつくと生涯解けないものとなることを意味していた。
最初は気乗りしないまま修行を始めるCeonyだったが、次第に紙魔法の魅力を知り始め、
またMg.Thaneの人柄にも惹かれるようになる。しかし同時に彼が何かの秘密を隠していることも感じる。
1ヶ月が経ったある日、Liraという女性が突如侵入し、Mg.Thaneの心臓を抜き取って逃げる。
CeonyはMg.Thaneを救うためLiraを追いかけるが・・・
・・・
う~む。これはまた評価しづらい物語だなあ。
面白いか?と聞かれれば確かに面白いんです。
続きを読みたいか?と言われればすごく読みたいです。
でも全体的に何かが物足りない、そんな印象なんですよね。
もともと魔術師として高い素質を持っていたCeonyはMg.Thaneの教えを素早く吸収し、
次第にFolder(紙魔術師)としての新しい世界に馴染んでいきます。
しかし戦いで使えるような魔法は何も知らないままにExcisioner(肉体を素材として操る禁断の魔術師)
と対決し、あっさりと破れて、何と抜き取られたMg.Thaneの心臓の中に閉じ込められてしまうのです。

この作品が斬新なのは物語全体の7割くらいをヒロインが心臓の中を彷徨って歩くというトンデモ設定で、
その過程でCeonyはこの心臓の主であるMg.Thaneの記憶を辿り、Liraとの関係を知り、
さらには自分自身の過去とも向き合いながら、Liraに打ち勝つ方法を探して行くのです。
正直少々冗長な部分やよく考えると矛盾していると思う点もあるのですが、
それを差し引いても十分面白いストーリーなのは確かだと思います。

しかしながら私にとって紙使いと言えば『R.O.D』の読子・リードマン以外におらず、
始めて出会ってから17年間、読子さんは常に私のImaginary Girlfrendのトップに君臨しています。(^^ゞ
彼女は超能力者としての紙使いなのでその威力は直接的でかつ強力で、
紙を強化してナイフの代わりにしたり、銃弾を弾くことさえ出来ます。
Ceonyの場合は魔術師として紙に魔法をかけないと使えないというハンデ?はありますが、
それでも本書の中での紙の使い方はまだまだ甘いなと言わざるを得ず、
次巻では是非その辺の強化もお願いしたいところです。

そう言えば少し前にディズニーの『Rogue One』のチームがこのシリーズの映画化を手がけると
いう発表がありました。
どんな映画になるのか見当も付きませんが、また楽しみがひとつ増えました。(^^)



この本のトレイラーを探したのですがオフィシャルなのは無いようなので、
代わりに R.O.D (OVA) のオープニングをどうぞ。

なんか今回のレビューはグダグダだなあ。(笑)

<関連リンク>
・INDEX – The Paper Magician
・WEB SITE – Charlie N. Holmberg

グースバンプス モンスターと秘密の書 (Blu-ray)

■こんなモノを観た

B01BGIXRP4 Goosebumps [Blu-ray] [Import anglais]

by G-Tools

『Goosebumps』と言えばタドキストにとっては最早何の説明もいらない
子供向けホラー小説の大家 R.L. Stainさんの超有名シリーズです。
そのGoosebumpsが映画になって米国では2015年に公開されましたが、
やはりと言うか日本ではほとんど話題にもならず、
最近になってようやく『グースバンプス モンスターと秘密の書』という邦題で公開され、
DVD/Blu-rayも発売されました。

この映画は数ある『Goosebumps』シリーズの特定の作品がベースになっているわけでは無く、
むしろStainさん本人が主役になっているのが何より面白いところ。
そのR.L. Stain役は個性派俳優のジャック・ブラックが演じ、これがなかなかハマっています。
(本当のStainさんがこういう性格だとは思いませんが。(笑))
内容についてはあれこれ書くよりもこちらのトレイラーを見ていただくのが一番かと。



ドタバタなシーンが次から次へと繰り広げられるジェットコースターストーリーは
原作シリーズそのものですし、米国では知らない人はほとんどいないというベストセラー作家だけに、
Stainさんにとっては自虐的な台詞もポンポンと飛び出します。
例えば少年達の「R.L.Stain?最近聞かないな。」「もう消えたんだろ。」という会話には
ニヤリとさせられますし、彼等が本人の前で(本人とは知らずに)
「子供だましの本ばかりでしょせんスティーブン・キングにはなれなかった作家だろ。」
と言うのにカチンときて
「彼(キング)は私に憧れていたんだぞ。知らないと思うけど売り上げ部数は私の方が多いんだよ。」
と言い返すシーンは思わず爆笑してしまいました。
そんなこと言ちゃって良いの?と思ったのですが、
ラストでStainさんご本人が一瞬(それも台詞付きで)登場していますし、
彼自身も納得して楽しんでいるんでしょうね。

私としては『The Giver』のFiona役で可憐な演技を見せてくれたオデイア・ラッシュちゃんが
出ているだけでもう満足なのですが、主役級の登場人物は皆存在感を出していますし、
大人も楽しめる子供向けファミリー映画としてどなたにもおすすめです。


Too Good To Be True (Quick Reads)

■英語読書の記録(653冊目)

B015D17F1C Too Good To Be True (Quick Reads 2016) (English Edition)
Ann Cleeves
Pan 2016-02-04

by G-Tools

Author : Ann Cleeves
Series : Shetland Island #6.2
Genre : Fiction, Mystery
RL=4.2、単語数=16000(概算)、ページ数=112、☆3.5
[Kindle Edition]

警部Jimmy Perezは離婚した先妻のSarahから救いを求められ、
彼女が住むスコットランドの静かな田舎Stonebridgeにやって来た。
Anna Blackwellという若い女教師が自宅で死体で発見され、
警察は彼女の死が自殺か不幸な事故であったと断定するが、
小さな街ではSarahの夫TomがAnnaと関係を持っていたというゴシップが広まっていた。
SarahはPerezにAnnaの死の真相を探り、Tomの潔白を証明して欲しいと依頼する。
調査が進むにつれてPerezはAnnaの人柄や境遇から自殺はあり得ないと確信し始める。
果たして事件の真相は・・・
・・・
Quick Reads はイギリスのThe Reading Agencyという団体(NPOのようなもの?)が企画して
出版されている、あまり読書が得意ではない人や時間の無い人に向けた一連のシリーズです。
易しい英語でページ数も少なく(100~150ページくらい)、
しかしながら多くは結構有名なベストセラー作家の書き下ろしで、
何より嬉しいのは1冊$1ほどの本が多く、まさに気楽に(そして沢山)本を読みたい人向けの
シリーズだと言えます。

本書の作者Ann Cleevesさんもイギリスの有名なミステリ作家で、
本作は彼女の『Shetland Island』シリーズのサブエピソードという位置付けで、
6.2というシリーズ通番が付けられています。
内容はまさに2時間サスペンス劇場そのものと言ったところなのですが、
読後感はそれが1時間15分で終わってしまったような感じ。(笑)
人物の深い心の葛藤や事件に至るまでの詳細な背景描写などは望むべくもありませんが、
それでもキチンとミステリしているのは流石だと言わざるを得ません。
少なくとも子供向けでは無い本を安価に気軽に読めるのは貴重だと思いますし、
私も長いYAなどに疲れたら冊数稼ぎのために息抜きのためにこのシリーズの
他の本を探してみようと思います。

しかしまだまだこのくらいのレベルの本が一番読みやすいのは少々情けないなあ。(T_T)

<関連リンク>
・INDEX – Ann Cleeves
・WEB SITE – Ann Cleeves
・WEB SITE – The Reading Agency